ものごごろついたときから、おとな社会の世知辛さをしょっちゅう見せつけられ、ときにはおとなの八つ当たりが、幼い子供にすぎない自分自身へ向けられる。そうやって育った子供に対して、清く正しく生きろと口で言ったって、「?」となるに決まってる。

子供はおとなをうつした鏡。
育てられる子供は、育てるおとな以上にはなりえない、ほとんど。
劣化コピーが代々延々と作り続けられるだけ。


育てよう。
と、しようと思うからダメなのか。


子供が一個の生命体として、
自分自身が生来持つ、「生きようとする力」だけを頼りに、
自ら育たなければならないのか。


人間の子供は
生まれただけでは、持っているものがあまりに乏しい。
周りから与えられなければ
生き続けることが難しい。


与えられるものの中には
よいものだけでなく、悪いものもある。
与えられる子供に、
よいものか悪いものかを判断する力はほとんどない。


・・・結論は、出ない。